学ぶことの心理的な意味②ー「分からない」を怖がらないことー

前回は「学ぶこと」は、良いものを取り入れること、取り入れることが良い体験になることが大切というお話をしました。今回は「学ぶこと」について、また別の角度から考えてみたいと思います。

 

誰でも新しい場面や新しい物事で何かを経験したり、初めて習うことを学習することは、緊張したり、「ちゃんとできるかな?」、「ちゃんと分かるかな?」と心配すると思います。でも、心配しながらも新しい知識や経験に興味関心を持ち、もっと知りたいと思える人と、そうではない人の違いがあると思います。学ぶことが好きな人と嫌いな人、得意な人と苦手な人がいます。その違いは一体何でしょうか?

 

みなさんの中には「学ぶこと」を不安に思う人がいるかもしれません。「学ぶこと」は自分が分からないことと向き合わないといけないからです。でも、実は、学ぶことにとって、「分からない」を怖がらないことはとても大切なことなのです。「学ぶこと」は、自分が「分からない」ということを受け入れることから始まります。分からないから学びたいと思えるのです。だから、「分からない自分は恥ずかしい」、「分からないとバカにされる」という「分からない」ことへの不安は、学ぶことを邪魔してしまいます。本当は「分からない」のに「分かった振り」をすることも学ぶことを邪魔します。「分からないから学びたい」と思えることが、学ぶことを助けてくれます。

 

例えば、赤ちゃんはできないことや分からないことだらけで生まれてきます。でも成長とともに、歩けるようになったり、話せるようになったりします。これは学んでいるからです。赤ちゃんはできないことや分からないことをどんどん学んでいきます。「分からない」を怖がるのではなく、分からないからこそ学びたいと思えるのです。

 

「学ぶこと」は、自分がまだ知らないことを知っていくプロセスです。だから最初は分からなくてもいいのです。分からないからこそ学べるのです。